久堀博美
整えて空広くなる代田かな
考えの立ち止まりたるかたつむり
緑陰や木琴の音ころがりぬ
毛虫焼くにおいをさせてドラム缶
北川柊斗
苔の色際立たせたる沙羅落花
直感のすでに走れる蛍の火
入梅や時に乱れし風来る
黄道をたどりてをりし黒揚羽
永田 文
二三本蕨を折りて野辺に居る
石山に歩を運ぶ若楓
落ちてより渓しずもれる朴の花
草餅や里の野の色たたえたる
中辻武男
空中の餌受けており燕の子
風の中蜜柑の花の匂いけり
槌音や田蛙の声遠くして
紫陽花の大きが光る雨上り
岡田ヨシ子
初夏の雲北海道の形して
初蝶の香り漂いはじめけり
海の上走ってゆけり夏鴉
仏壇の線香香る百合の花
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