ラベル 動画講義 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 動画講義 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年3月22日日曜日

甘味の厚焼き卵春きざす 辻井こうめ

俳句物語(3) 岡田耕治
 
甘味の厚焼き卵春きざす 辻井こうめ

 パートナーと暮らし始めて三年になる。家事は私が料理、パートナーが洗濯と掃除を分担している。最近の私の料理には、母ゆずりの厚焼き卵を「おいしい」と言わせるという一つの目標がある。毎日の弁当に欠かさず入れているが、パートナーは鶏の唐揚げや鮭の塩焼きは褒めても、厚焼き卵については一度も「おいしい」と言ったことがない。

 パートナーは関西、私は関東出身で、関西の方が何かと薄味の傾向がある。母が使っていた濃口醤油ではなく、薄口醤油に変え、砂糖も控えめにして、弁当の主役として真ん中に詰めているのに、なぜ満足してもらえないのだろう。

 先日、パートナーが行き付けの居酒屋で出し巻き玉子を注文した。ふわとろで美味しかったが、私にはどこか物足りない。やはり、玉子焼きは母の味が一番だと内心で思いながら、パートナーがトイレに立った隙に、店長に秘訣を尋ねてみた。「うちは醤油じゃなく、白だしを使ってます。あと、塩を一つまみ」とのこと。もちろん、砂糖は使わないそうだが、私にとって玉子焼きにはやはり砂糖が欠かせない。

 卵三つを割り、白身を切るように混ぜ、砂糖を小さじ二杯、母直伝の牛乳を少し加える。そして、醤油ではなく白だしを使ってみる。これまで、大さじ二杯だった砂糖に釣り合うようにと塩も少々入れていたが、今回は一つまみだけにする。焼き色が付かないよう、そして型崩れしないように丁寧に焼き上げた。

 今日の弁当は、それぞれの職場用ではなく、二人で市立美術館の作品展を見に行くために作ったものだ。美術館に入る前、芝生の広場でとっておきの弁当を開いたとき、くすっと笑う声が聞こえたような気がした。母の声だった。



2021年8月28日土曜日

動画講義「中学校3年生の俳句」

↓動画講義「中学校3年生の俳句」(11分)
 大阪府内のある中学校3年生の俳句を選句する機会をいただきました。100句ほどの作品から6句を選び、鑑賞しています。生徒さんは、2学期早々、この動画を視聴し、よろこんでくれたとのことです。ありがとうございます。

2021年6月16日水曜日

動画講義「俳句づくり心得帖」

大阪教育大学公開講座で話した「俳句づくり心得帖」の動画講義(21分)です。鶴見俊輔さんの『文章心得帖』(ちくま学芸文庫)からヒントを得て、俳句づくりのヒントを語ります。
ここからどうぞ→https://youtu.be/0HP7cHNZUqk



2021年5月19日水曜日

動画講義 金子敦句集『シーグラス』を読む

 金子敦さんの句集『シーグラス』を読む動画講義です。(19分)


金子敦句集『シーグラス』から
岡田耕治 抄出

2016年
抱き上げて子猫こんなに軽いとは
紙皿の縁のさざなみ山桜
少し流され少し戻りて蛇泳ぐ
風呂敷の結び目かたき西瓜かな
2017年
滑り台経由ぶらんこ行きの風
紙コップ微かに歪み水温む
夕焼や壁にボールの跡あまた
赤ん坊の涎の光る祭かな
雪の夜の絵本の角の円みかな
2018年
ニスの香の微かに残る巣箱かな
賛成も反対もせぬ海鼠かな
2019年
こけしの目は一本の線梅雨に入る
骨だけとなりし秋刀魚のまなこかな
冬日満つ校長室に優勝旗
2020年
クレヨンのぽくんと折れて目借時
長き夜の最終巻を開きけり
木も草も吾もゆつくり枯れはじむ

*動画講義では、2020年のクレヨンの句に
「俺」という文字が入っておりました。
削除して正しい句を掲載しています。
申し訳ありませんでした。 耕治

2021年5月8日土曜日

動画講義「俳句づくり事始め」

大阪教育大学の公開講座で話した内容を動画講義としてアップしました。小学生との俳句づくり、限界芸術論にはじまり、茂木健一郎さん、池谷裕二さんの知見を引用して、俳句づくりのヒントを語りました。よろしければ、次をごらんください。



2021年3月9日火曜日

動画講義「アイデア練習帳」  岡田耕治

 『プロが教える アイデア練習帳』2020,岡田庄生(日経文庫)をヒントに、鈴木六林男師がよく仰っていた「多く読むこと」という作句の極意を披露する動画講義です。

https://youtu.be/cjyJzJdA3q0



2021年2月13日土曜日

動画講義「花の供養に」(10分)

 花びらの吐息匂いくる指先に  石牟礼道子

この句を鑑賞した講義は、次のURLをクリックして視聴してください。(10分)

https://youtu.be/7OmUfjMh8B8

*この講義は、若松英輔さんの『悲しみの秘義』から着想しました。