2021年5月19日水曜日

動画講義 金子敦句集『シーグラス』を読む

 金子敦さんの句集『シーグラス』を読む動画講義です。(19分)


金子敦句集『シーグラス』から
岡田耕治 抄出

2016年
抱き上げて子猫こんなに軽いとは
紙皿の縁のさざなみ山桜
少し流され少し戻りて蛇泳ぐ
風呂敷の結び目かたき西瓜かな
2017年
滑り台経由ぶらんこ行きの風
紙コップ微かに歪み水温む
夕焼や壁にボールの跡あまた
赤ん坊の涎の光る祭かな
雪の夜の絵本の角の円みかな
2018年
ニスの香の微かに残る巣箱かな
賛成も反対もせぬ海鼠かな
2019年
こけしの目は一本の線梅雨に入る
骨だけとなりし秋刀魚のまなこかな
冬日満つ校長室に優勝旗
2020年
クレヨンのぽくんと折れて目借時
長き夜の最終巻を開きけり
木も草も吾もゆつくり枯れはじむ

*動画講義では、2020年のクレヨンの句に
「俺」という文字が入っておりました。
削除して正しい句を掲載しています。
申し訳ありませんでした。 耕治

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