2016年9月1日木曜日

蓮池のいのち混み合う濁りかな 大城戸ハルミ

蓮池のいのち混み合う濁りかな 大城戸ハルミ
「俳句界」9月号。そう言われると、澄んでいる蓮池を思い浮かべることができません。蓮が一面に広がって、水面が見えなくなっているからでしょうか。開いた蓮の花に注目するので、水の透明感まで見ていることが少ないからでしょうか。大城戸さんは、あえてその水に注目し、「いのち混み合う濁り」というこの上ない表現にたどり着きました。水の濁りをこれほどまでに鮮明に捉えることのできる作者の、内面の静かさを想います。
*6月に出かけた高知市高知城の蓮池です。

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