渡邉美保
つばくらめ新元号を銜え来る
つばめ来る駅舎に飾る花摘んで
探られて春の出口の深くなる
照り合うて重なり合うて春落葉
西本君代
桜蘂決して泣きやまぬと決める
ふらここや叱られしこと揺らしたる
晩春の仮屋漁港に糸垂らす
風の押す小さな扉苺狩り
宮下揺子
春の雨電車の音を近くする
げんげ田にソーラーパネル連なりぬ
木の芽摘む現状維持の家族にて
竹の秋ボタンのひとつ取れたまま
中嶋紀代子
買い得と貼られていたる栄螺五個
アスパラの草押しのける力かな
風を待つ春の野げしの白き絮
ヒヤシンスラピスラズリの色をして
*淡路島にて。
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