2019年11月14日木曜日

ピスタチオの割れぬ一粒神の留守 ふけとしこ

ピスタチオの割れぬ一粒神の留守 ふけとしこ
 ピスタチオを食べているとどうしても割れない一粒が出てくることがあります。ペンチか何かで割って、最後まで食べる方が良いのでしょうか。それとも目の前のたくさんの殻とともにゴミ箱に捨てるべきなのでしょうか。神がいらっしゃれば問うこともできますが、今はその神もご不在です。こんなに静かで、こんなに心をざわつかせる神無月の一句。
 「花曜」を編集していたとき、作家の小川国夫さんから講演録の修正を、なかなかいただけないことがありました。鈴木六林男師に相談すると、「葉書を書け」と。すると、間もなく朱の入った講演録が届きました。この句は、月1回いただくふけさんの「ほたる通信Ⅱ」所収。今回で87号となる、恐るべき一枚の葉書の力。
*大阪教育大学柏原キャンパスにて。

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