2016年5月16日月曜日

「声の言葉」 岡田耕治

「声の言葉」 岡田耕治

夏に入る声の言葉を短くし
木苺を食べたる瞳揃えけり
容体の落ち着いている桐の花
どこからも遠くなりゆく夏の山
鱚を釣る舟と舟とを寄せ合いて
できるだけゆっくり一杯目のビール
三味線の弾き手が変わり花うつぎ
酔うて歌う顔の集まる夏灯
初夏の骨を使って歩きけり
それほどは乱れておらず夏蒲団

0 件のコメント:

コメントを投稿