2016年5月18日水曜日

まなざしの駆けのぼりゆく春の土手 片山由美子

まなざしの駆けのぼりゆく春の土手 片山由美子
「俳句あるふぁ」6-7月号。草に青み、小さな花が咲きはじめた土手に近づきますと、なつかしい土の匂いがします。その中を、一気に走って駆けのぼり、小走りに駆け降りては、また駆けのぼります。実際は駆けのぼらなかったけれども、「まなざし」は少年のように自在に春の土手を堪能したのです。人のまなざしの内にあることが、つかのま目の前の景物の中に、それこそ融けあうように立ち現れることが在り、それをたのしむことができるのだと、片山さんが微笑んでいます。

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