2016年6月4日土曜日

口笛を忘れてをりし麦の秋  大牧 広

口笛を忘れてをりし麦の秋 大牧 広
「港」6月号。この号で大牧さんは、「私の反骨精神」と題して、重要な自己開示をされています。「世渡り下手の父は、安月給で大家族を養うために『踏切番』を死ぬ何年か前までしていた」と。そのために「お前の父さん踏切番、友達からそう言われて、唇を噛んで返事もできなかった」と。そのことから大牧さんの反骨精神が芽生えたと。このように自己を見つめ、開示していくまなざしが、大牧広俳句の魅力なのだと思いました。そんな目で一句を見ると、単に「口笛」を忘れていたのではなく、口笛につながる自由な精神をいつも取り戻そうとする、大牧少年の志が感じられます。

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