2016年6月8日水曜日

藁抜きし目刺に自由戻らざる 仲 寒蝉

藁抜きし目刺に自由戻らざる 仲 寒蝉
「港」6月号。藁に通された数匹の目刺を見ますと、早く藁を抜いてやりたくなります。それは、私たちの姿を投影しているように感じるからかも知れません。寒蝉さんは、そのように藁を抜いたのに、結局自由は戻らなかった、と。藁を抜いたあとの空洞が、もう元の姿には戻れないことを確かなこととしているだけなのです。イメージを喚起する力が感じられる秀句ですね。

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