2016年7月21日木曜日

毛布干す愛の匂いを日に還し  石井 冴

毛布干す愛の匂いを日に還し  石井 冴
「香天」43号・特別作品。毛布は直接肌に触れますので、人の匂いをたたえることになります。「愛の匂い」は、これ以上毛布を形容するに相応しい言葉がないと思えるほどです。男女の愛も、親子の愛も、人が生きて在ることそのものが、「愛の匂い」の中にあります。その匂いを「日に還す」とは、ドキッとする捉え方です。全ての命は、三八億年前に海の中で生まれた小さな細胞から始まっています。それは、海という命と太陽という命の交差によって生まれたものでしょう。その太陽へと愛の匂いを還すという、大きくて思想性に富んだ表現が生まれました。
※写真は、NHK大阪放送局の最寄り駅「谷町四丁目」の地下通路の大ポスターです。

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