2016年7月30日土曜日

車輪擦り減らす音して掻き氷 竹中 宏

車輪擦り減らす音して掻き氷 竹中 宏
 「翔臨」86号。一瞬にして、子どもの頃店の中にあったかき氷を作る大きな機械が蘇りました。子どもながら五十円を払って、店主が氷塊を機械の上に載せ、ガリガリ、シャリシャリと回していくのを見つめていました。かきあがったときに掛ける蜜の色はもう決めているのです。こんな懐かしい光景が浮かぶのは、「車輪擦り減らす音」という重厚な表現です。私たちは、車輪を擦り減らすようにこれまで働いてきました。その思いが、幼い頃へとスピードを上げて誘ってくれるのでしょう。

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