2016年9月3日土曜日

「九」といふ数字は無限夜の秋 大牧 広

「九」といふ数字は無限夜の秋 大牧 広
「港」9月号。前書きに〈第九句集『地平』上〉とあります。9は、4と並んであまり好まれる数字ではありませんが、9は極みの陽数で、9月9日は5節句の中でも、殊更「重陽」と呼ばれる目出度い日です。9が多数を表すということは知っていましたが、それを「無限」と表現されていることに注目しました。大牧さんがこれまで著された一冊一冊の句集は、先人につらなるものです。この句業を基盤として、更に多くの人がいい俳句を書いていってもらいたい、そのような願いが「無限」という一語の中に込められているように感じます。日中の暑さも夜になると引いてくる、そんな静かな秋へのプロムナードに相応しい一句です。
*無花果の木を通して、秋の空を撮りました。

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