香天集9月11日(追加) 岡田耕治 選
中濱信子
向日葵の中指切りを唱え合う
男には幼き仕草かき氷
空蝉に一世の力残りけり
夜の秋机に匂う正露丸
〈選後随想〉
男より肝すわりたる昼の虫 中嶋飛鳥
虫たちは、自分のテリトリーを示したり、メスを求めたりするために一心に鳴きます。その声は、世の男たちよりも肝が据わっているように聞こえる、と。夜になると顕在化する虫の声ですが、昼間に鳴いている声を、それほど大きくないけれども、しっかりと認めようとする作者の、創作への意気込みが感じられます。
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