2016年11月17日木曜日

たましひの明るくありぬ枯木山 宗田安正

たましひの明るくありぬ枯木山 宗田安正
句集『巨人』沖積舎。紅葉を失ってしまった木木は、まっすぐに冬空に伸びています。冬空は春や夏や、まして秋に比べますと、明るくはありません。しかし、そこに伸びて行く枝枝を背筋を正して見ていますと、自らのたましいが浄化されていくように感じます。新しく編まれた『巨人』に加え、これまでの『個室』『巨眼抄』『百塔』を収める全句集に匹敵する一巻。これによって、作者の静かな息遣いの中にある胎動を、素早く味わえるようになりました。

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