2016年11月9日水曜日

ふところに冬林檎あり出し齧る 小澤 實

ふところに冬林檎あり出し齧る 小澤 實
「俳句四季」11月号。ふところに林檎を入れてあるのは、どこか心細いからでしょうか。電気でも、水でも何時止まっても不思議ではない社会に、私たちは生きています。まして、冬に入ってきました。その林檎をふところにしのばせているだけでなく、「出し齧る」というリアルな動作で一句は括られています。この動作によって、それでも毎日を生きて行かざるを得ない、人間の哀しみと温もりが伝わってきます。
*阿倍野ハルカスから空を見上げました。

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