恋多き頃のマフラー締めてみむ 浅井陽子
「鳳」19号。クローゼットには、捨てずにあるマフラーが何本もあります。他の衣類は、入れ替えていくのですが、マフラーだけは溜まる一方です。なぜそうなるのかが分かりませんでしただ、この句を読んで、なるほどそうかも知れないと思い当たりました。マフラーは、たぶん過去の記憶ではなく、未来への希望につながっているのではないかということです。「恋多き頃のマフラー」を締めるということは、その頃のことを思い出すということよりも、むしろその恋の中にもう一度生き直そうとする弾みが感じられます。だから、わがクローゼットの片隅に、マフラーが増殖してしまうにちがいないのです。
*回転寿司発祥の地、富山の白エビ。
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