2017年5月6日土曜日

泣きじやくりながらバナナを剥いてをり 金子 敦

泣きじやくりながらバナナを剥いてをり 金子 敦
句集『音符』ふらんす堂。かなしいことがあって、声をあげて泣いたことが何度かあります。タオルに顔を埋めて、声を殺していましたが、いつまでも顔を伏せているわけにはいきませんので、顔をあげました。それでも、しゃくり上げるように涙は止まりません。「いつまでも泣いていないで、バナナでも食べたら」とすすめられたバナナ。それを剥きながら、かなしいことから離れようとします。かなしいことに当たっていた焦点が、バナナを剥きながらそれから離れようとする自分に焦点が当たります。もう大丈夫。
敦さん、いい句集ができましたね。御出版おめでとうございます。栞を執筆された杉山久子さんとともに、「香天」の最新号に招待作品を寄稿していただいたことに感謝します。ありがとうございます。
*「香天」47号の表紙。大阪教育大学柏原キャンパスの里桜。

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