香天集5月9日 岡田耕治 選
三好つや子
花なずな兎跳びする好奇心
さえずりの串だけのこる夕桜
兄弟にもどるスイッチ柏餅
花の夜のもぬけの殻の私です
浅海紀代子
蔓薔薇に遊びの袖を取られけり
祀られて芽吹き始める銀杏かな
大樟の芽吹きを残し家解かる
賑わいの集まる花の名残かな
釜田きよ子
骨のない魚が泳ぐ憲法の日
鳥帰る一輪車にて追いかける
春愁や落ちるばかりの砂時計
カステラはこがね色してゴールデンウイーク
宮下揺子
庭師より椿を貰い帰路につく
飴切りのミモザの飴を二袋
おおらかにすぐに忘れて花ミモザ
右左違う靴買うイースター
森谷一成
いじめ子の幾年花の下枝かな
巡礼の過りおわせり遅桜
銭の世の妃はべらん八重桜
ゆく春の源八橋の南詰
藤川美佐子
ぶら下る裸電球昼がすみ
万緑のなお奥山へ入り行けり
更衣若やぐ性のおそろしき
雨音のほかは聞えず昼寝覚
*りんくうタウンの大観覧車。
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