2017年8月3日木曜日

風となり耳をとよもす蝉時雨 今村征一

風となり耳をとよもす蝉時雨 今村征一
俳句大学。「とよもす」とは、響き渡るという意味の古語ですが、語感のやわらかさを感じます。蝉時雨は、風のないうちは暑苦しいものですが、風が立ちますと一心に鳴く蝉がいとおしくなります。つい先日も、俳句仲間と森に出かけましたが、「いい風だね」という言葉を久しぶりに聞きました。蝉時雨の中、「いい風」が吹いてきますと、「耳をとよもす」、耳元を囃してくれるような、響きになってきたのです。

*岬町孝子の森にて。

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