開戦日 岡田耕治
足温め時を一つにしていたる
老いてゆく光の中の冬雲雀
焚火育つ用の終わった人のため
マフラーや行き先をふと失いし
建物の古きを選び冬の蝶
人の目に包まれている十二月
熱燗や思い出少し書き直す
開戦日赤信号に染まりたる
実行に移していたり革手袋
思い出すため湯豆腐を囲みたる
絶対に濡らさぬように行く時雨
中華鍋鳴らして冬を揺らしけり
*大阪梅田の太融寺の芭蕉句碑。
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