香天集1月14日 岡田耕治 選
砂山恵子
仕事始め決まつた刻に顔洗ひ
降る雪や小鳥てふ名の喫茶店
わたくしを待つ人がゐる雪が降る
寒犬の瞳と合ふてしまいけり
加地弘子
大胆な木の葉時雨の日となりぬ
短日や海の端まで行くことに
数え日の雲動きずめ走りずめ
冬至柚子のほほんと浮くことのあり
中村静子
虎落笛海の匂いを着けてくる
水涸れて飛石広くなりにけり
雨粒を含みこぼして冬椿
露天風呂真ん中にして山眠る
古澤かおる
少年のコニカミノルタ吉書揚
あくびする猫を撮して初写真
皆で来て皆で帰れる初社
人日の頭数だけ生卵
岡田ヨシ子
裸木となるまで空を散り急ぐ
潮風に現れて消え六花
初霜や友の墓まで来ていたる
鯖みそ煮カレーを試す寒波かな
*高知県梼原町にて。
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