2018年1月9日火曜日

鶏頭花同じくらいに傷つきぬ 加地弘子

鶏頭花同じくらいに傷つきぬ 加地弘子
 鶏頭を見ていて作者は、その過剰さの故でしょうか、深く傷ついているように感じました。「同じくらい」とありますので、どの花も同じくらいとも取れますが、この私と同じくらいとも取れます。何本かある鶏頭と並んで、この私もそこにいるような、そして鶏頭が傷つくように、この私も傷つく、そんな時代を生きている、そのようなことを考えさせる書き方になっています。弘子さんは、こう書くことによって、自らを、時代を見つめているのですね。



*高知県梼原町にて。

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