香天集4月15日 岡田耕治 選
三好つや子
瞑想の椅子に春星降りてくる
風車になりそこねたる河馬の耳
点滴の音なき音や菜種梅雨
かくれんぼの鬼だけのこる桜かな
神谷曜子
大空の帰雁に交り兜太逝く
春の風丸に四角になりたくて
渡来人のズボンふっくら春の昼
梟よ同じこと言う我を叱れ
中濱信子
向き向きに百の蛸壺日脚伸ぶ
揺らぎいる方を剪りたり水仙花
沈丁花郵便受をはみ出して
ひらがなの「つぼみ」から咲く初桜
村上青女
子猫来る孫来ることを待ちわびて
節分の豆残りたるくつの中
平和への投票の日や春立ちぬ
春の朝水族館の獣泣く
岡田ヨシ子
浮かびたることを忘れて春の海
春しぐれ老いたることを競い合い
木の芽和レシピを学び続けては
海中や揺れる若布に届かぬ手
*昨日、香天の総会を開催し、天王寺動物園の吟行を行いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿