2018年4月29日日曜日

香天集4月29日 渡邉美保、澤本祐子、砂山恵子ほか

香天集4月29日 岡田耕治選

渡邉美保
揺れてゐる芥子から順に切られけり
内部より波の音して浦島草
草芳し四人五脚はすぐ倒れ
時時は瘤を揺らして聖五月

澤本祐子
沿線や今日は昭和の春夕日
人の世に背きコアラは目を閉じる
蝙蝠やスケッチの子の的になり
春昼を身じろがぬ虎耳立てて

砂山恵子
ごめんねと言へないでいる木の芽和
豆の花系図の中の我と子と
憧れが紙風船を押し上げる
張り詰めたるこころに届き雪解風

坂原梢
河馬一匹口の中干す春の昼
ふるさとのよく見えてくる山桜
葱坊主どこへいくのと問われたる
一村のやさしさ香る桃の花

中濱信子
山櫻遮るもののなき湖面
木蓮の白より暮るる人里よ
譲ったり譲られたりの彼岸径
犬ふぐりことのはじめを咲きにけり

北川柊斗
闇桜ユダのささやきもて散れり
夕映えや霏霏なる飛花の大舞台
花冷えや三味の音もるる石畳
花は葉に人さらさらと流れゆく

古澤かおる
花は葉に道具袋を腰に巻く
夜桜やたった一人で来てしまう
霾や苦手なものに展開図
牡丹の芽指を伸ばせば電気走る

木村博昭
砂を盛る幼き指や花の昼
暮れかぬる地に描かれし笑顔かな
まっすぐに生きるがよろしチューリップ
ゆく春へ手を振りつづけ車椅子

越智小泉
川に沿い風を遊ばす青柳
陽炎や若者言葉混み合いて
奥宮へ登る石段百千鳥
山つつじここから墓地へつづきけり

村上青女
石垣に沿う坂道の花畳
公園の芝生羽織りし花畳
長ぐつの腕組みの人田水待つ
笑顔連れ桜の国の始まりぬ


*昨日関西現代俳句協会の総会が行われたヴィア—レ大阪のエントランス。

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