年惜しむジャムは静かに傾いて 玉記玉
年惜しむジャムは静かに傾いて 玉記玉
香天集51号・選後随想。大晦日の朝、何時ものようにトーストにジャムを塗って、今年一年の最後の日を始めました。ジャムは、少なくなってきたためでしょうか、テーブルに戻しても傾きを保ったまま、落ち着いてはくれません。水平になって、安らかに新しい年を迎えたいという気持ちはもちろんあるのですが、傾いたままでもよいかと思えるようになってきました。この一年を振り返っても、それほど安らかで水平ではありませんでしたから、かえってこの不安定な静かさの方が、新年を迎えるのに相応しいかも知れません。
*大阪教育大学柏原キャンパスにて。
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