2018年8月16日木曜日

ひもじい子ひもじくない子終戦日 黒田杏子

ひもじい子ひもじくない子終戦日 黒田杏子
「俳句」八月号。「どの子にも涼しく風の吹く日かな」と詠んだのは、飯田龍太さん。これを所収する句集『忘音』は50年前の出版です。この句の情況は一変し、「ひもじい子ひもじくない子」という表現に象徴される格差社会が到来しました。杏子さんは、そのことを価値づけるのではなく、ましてひもじい子とひもじくない子を比べることもせず、ただ「終戦日」という時間が平等に「どの子」にもやってくることを詠みました。ひもじいこと、ひもじくないことではなく、われわれはこの子たちとともにどのような未来を描けるのだろうかと、静かに問いかけられているように感じます。
*子どもたちとつくった世界地図のパズル。

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