2018年9月4日火曜日

彼岸花今もどこかにごんぎつね 中野千秋

彼岸花今もどこかにごんぎつね 中野千秋
 俳句大学。小学校四年生で読み込む「ごんぎつね」は、ひとりぼっちの「ごん」と、ひとりぼっちになった「兵十」の物語。ていねいに読み取った情景は、多くの人の心に息づいています。ごんが兵十にとどける栗や松茸は、ちょうど今の季節、きっと彼岸花も咲いていたでしょう。兵十がごんを打ってしまう火縄銃の青い煙。千秋さんの彼岸花は、そのごんから流れる血の色とその再生を象徴しているにちがいありません。

*大阪教育大学柏原キャンパスにて。

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