2019年2月26日火曜日

紅椿寄ればつめたき息づかひ 柴田多鶴子

紅椿寄ればつめたき息づかひ 柴田多鶴子
「俳句四季」三月号「花の歳時記」から。多鶴子さんは、「椿」について書くに当たり、新美南吉の童話を読み返されたとのこと。梅や桜と比較して、「ある意味では華やかさのない花といえる」と記されています。新美南吉が好んだのも、そのような思いがあったのかも知れません。しかし、椿の花に近づくと、その存在感は増します。つめたいまでの「息づかひ」さえも間近に感じられるのです。この息づかいは、新美南吉に通じるものにちがいありません。

*広島県呉市役所にて。

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