2019年3月9日土曜日

小春日の頬杖雲が寄って来る 坪内稔典

小春日の頬杖雲が寄って来る 坪内稔典
「船団」120号。小春日和に頬杖をついて空をながめている、ただそれだけが書かれています。しかし、坪内さんが表現したかったのは、そのように何も考えないでいる時間の大切さ。私たちは、日々の雑事に追われて、何も考えなくともよいひとときを忘れてしまったのではないだろうか、という作者の思想が下敷きになっているようです。言い切ってしまわないから誘われる、そんな読み方に誘われる俳句です。

*札幌時計台にて。

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