初燕新橋梁をめぐりをり 福田甲子雄
『福田甲子雄全句集』ふらんす堂。著者最後の句集の最後におかれた句です。橋梁ですので、太いコンクリートの橋が想像できます。コンクリートを立たせることによって、この国は発展してきました。しかし一方で、もうコンクリートはいらないのではないかという思いも浮かんできます。しかし、今年初めて飛来したツバメたちは、興味深そうに橋梁の周りを巡っています。 このツバメたちのためには、新しいコンクリートもまたいいのかもしれないと、そのように命を受け止めようとする作者最期の一句です。
*大阪教育大学柏原キャンパスにて。
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