香天集4月7日 岡田耕治 選
森谷一成
新梢も蕊もくれない梅の性
フラボノイドとアントシアニン梅が枝に
木の国の護摩壇山の冬惜む
ゆらゆらと祝詞のように雪やなぎ
岩橋由理子
日脚伸ぶ後戻りすることの増え
靴磨く父の薀蓄冬温し
溢れ出るコトバ斜めにミモザ咲く
何回もブランコの弧が空掴む
宮下揺子
冬林檎二つもらいて帰り来る
北窓開く大方は要らぬ物
引き算を続けていけば春がくる
朧夜のポストイットのハートかな
岡田ヨシ子
さくらんぼ実生八本実りけり
花吹雪白髪を競い合いおれば
卒園の曾孫を囲み昼の膳
汽車を待つ太巻鮨をたずさえて
*大阪府教育センターにて。
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