2019年4月10日水曜日

「花明り」12句 岡田耕治


花明り  岡田耕治

柔らかきシャツを選びて西東忌
春愁の一人は走りつづけたる
きっちりと春のキャベツに包みけり
花明り何の予定もない日なり
定期券鳴らして降りる花明り
花の下イニシャルを書く紙コップ
書いてからノートを離れ花筏
目の高さ合わせていたり花盛り
風車子どもだけしか入れない
春の川浸かりはじめを傾いて
借りてくる本に押されてクローバー
わが猫背仔猫が乗って眠りたる
*岬町立岬中学校図書館にて。

0 件のコメント:

コメントを投稿