2019年8月11日日曜日

香天集8月11日 三好つや子、加地弘子、砂山恵子ほか

香天集8月11日 岡田耕治 選

三好つや子
プチトマトあぶない本を読み耽る
白木のおもちゃ白夜の鳥の匂かな
不定愁訴くらげの森を漂うよ
一秒の奥へ奥へと競泳す

加地弘子
蝙蝠を抜け出してくるサラリーマン
我の手をつつく茗荷の子でありぬ
夏木立バスがふわりと現れる
油虫われに気づいてからの時

砂山恵子
白南風やスケッチ帳の上に砂
夜の秋気づかぬほどに雨薄く
立秋や軽く土蹴る靴の音
天袋の奥に箱あり盆用意

橋爪隆子
水馬流れに乗りて流れざる
涼しさよ漢に席をゆずられて
ルームキーをテーブルに置き生ビール
宿題をよこぎってゆく夏帽子

北村和美
くすくすと丸い空気の蚊帳の中
引き出しに勢揃いして蝉の殻
登山靴早朝の紐しめなおす
お下がりの赤い浴衣に赤い紅

朝岡洋子
貼り出した防災マップ夏兆す
若冲の赤を見ており鶏頭花
日焼の子壁打ちの球テンポよく
水馬や水面の皺に輪を重ね

中嶋紀代子
国生みの朝曇りなり万歩計
喜多郎のおろちの曲よ日雷
夕菅や月の妖精降りてくる
鉛筆をとがらせており夜の秋
*万年筆で俳句を書くことにチャレンジしました。

0 件のコメント:

コメントを投稿