2019年11月2日土曜日

ががんぼのいつ打たれてもいいかたち 仙田洋子

ががんぼのいつ打たれてもいいかたち 仙田洋子

 ががんぼは、「大蚊」と書き、蚊に似ていますが、はるかに大きく脚長です。人間の血を吸ったりしないので、目の敵にはされませんが、打とうと思えば何時でも打てるように感じます。まさに「いつ打たれてもいいかたち」なのですが、作者は打つことはせず、その形の奔放な命を見つめています。ががんぼを詠っているようで、ががんぼと作者の距離を浮き立たせるタッチ。暮らしを静かに見つめる仙田洋子さんならではの句集が誕生しました。句集『はばたき』角川書店より。

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