2021年6月15日火曜日

二人して何もつくらず昼寝覚 鈴木六林男

 生を持続させるためには、愛であれ、美であれ、暮らしであれ、何かを作らなければならない。しかし、ある時を境に作ることではなく、在ることに「生」の意味を確かめるようになる。夫婦であれば、作り続けることによって保ってきたその関係が、何も作ることのない関係、作らないけれども互いを労い合う関係へと浮上していく。
 この句を初見したときの微笑と、その中にある哀しみは、しだいに深くなってくるようだ。(岡田耕治)



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