2016年5月11日水曜日

花屑の轢かれ鴇色蘇る 花谷 清

花屑の轢かれ鴇色蘇る 花谷 清
「藍」5月号。鴇色(ときいろ)とは、トキの羽のような、わずかに灰色がかった淡紅色。地に降り積もった落花は、しだいに灰色を帯びて色褪せていきます。しかし、車輪に轢かれた花屑は、ふりしぼるように淡い色を蘇らせるのです。命を描くには、満開になった花よりも、花屑を描く方がよりリアルに感じられる時代です。しかもそれは、轢かれて押しつぶされることによって、色を取り戻そうとしているのです。命を描くことの醍醐味が感じられる一句です。

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