体からこころこぼれて花は葉に 池田澄子
「俳句」5月号。人は頭で感じ考えるだけでなく、体でも感じ考えると言われます。それが一人の人間のうちにあるときはいいけれども、こころがこぼれてしまうことがある、と。歳を重ねていきますと、自分が感じたり考えたりしたことが何ととりとめのないものなのかと思うことがあります。こころはこぼれ出たら最後、もう戻らないというおそれもあります。しかし、澄子さんは「それもいいのよ」と肯定されているようです。「花は葉に」は、花を失った緑ではなく、花の明るさをたたえた緑なのだと気付かせてくれる、さわやかな一句です。
0 件のコメント:
コメントを投稿