2016年5月4日水曜日

卒業や見とれてしまふほどの雨 櫂未知子

卒業や見とれてしまふほどの雨 櫂未知子
小・中学校に勤めているとき、卒業式や入学式、ことに卒業式は晴れて暖かくなって欲しいと願ってきました。だけどこの日はあいにくの雨で、気温も低いようです。ただ、雨は雨でも「見とれてしまふほどの雨」ですから、未練は残りません。こんなきびしい世の中へ巣立っていく卒業生。式の間、ザーッと音を立てて、しかも真っ直ぐに降り続く雨の中にこそ、希望は在るのかも知れません。定型を愛し、定型に挑み続ける作者ならではの秀句です。

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