2016年5月6日金曜日

としよりを演じてゐぬか花筵 大牧 広

としよりを演じてゐぬか花筵 大牧 広
「港」5月号。花見をするために敷いた筵に、大勢が集まってきました。中でも高齢の作者は、その人柄もあって大切にされます。「としよりを演じる」、それだけでいいのかも知れません。集まった人に愛想よく、一人ではこころもとないというように過ごす。しかし、そうなることを真っ向から否定する、自戒にも似た響きにハッとします。常に社会に目を向けて作句してきた作者は、収斂し、内に籠もろうとする働きを、俳句の表現の上でも律しておられるのです。

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