2016年6月14日火曜日

梅雨入と聞けば落ち着く心地して 片山由美子

梅雨入と聞けば落ち着く心地して 片山由美子
『昨日の花 今日の花』ふらんす堂。俳句日記として、2015年の1月1日~12月31日までの一句と、俳句の邪魔をせず、しかも読みがひろがるコメントが配されています。梅雨に入るとじめじめと蒸し暑く嫌だなあという声をよく聞きますが、この句は「落ち着く」と。先人は梅雨になると代田をつくり、田植えをして、そこに雨が降ってくると、ひと息ついたことでしょう。田んぼをつくらないまでも、降り続く雨を見ながら心を落ち着ける感性を、いつの頃からか失っているのではないか、そんなことを感じながら一日一句を味わっています。座右の書棚にこの一冊を戻すとき、毎回こんな帯文が目に入ります。「心がけたのは、季語の実感を大切にすること――」。

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