2016年9月24日土曜日

もの流す川のあはれや草の花 堀下 翔

もの流す川のあはれや草の花 堀下 翔
「俳句四季」10月号。鴨長明は、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と書きました。堀下翔さんは、「もの流す川のあはれや」と書きます。川にはそれほど、様々なものが流れるようになっているのです。川辺に小さな草の花を認めました。この花は長明の時代にもこうして咲いたにちがいありません。命絶えて流れてゆくもの、命を点しはじめたもの、それらが晩秋の景の中にかたどられています。本作品は、俳句と短歌の競詠で、短歌の方も若手で有望視されている大森静佳さん。彼女の短歌は「顔を洗えば水はわたしを彫りおこすそのことだけがするどかった秋の」。読み応えのある競詠でした。
*京都の新・都ホテルのロビー。

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