2016年9月5日月曜日

「二学期」15句 岡田耕治

「二学期」 岡田耕治

腕時計嵌めずに秋を歩きけり
花野より身を起こしたる眩暈かな
盃や月を容れたるままめぐり
月明り見えなくなるを視ていたる
自由都市堺の水を月渡る
声を出し涙を流す休暇明
二学期のええやんあんたそのままで
滑らかなものに囲まれ飛蝗飛ぶ
靴跡の乱れてきたる秋の浜
いぼむしり時々死んだふりをする
テーブルを整えており秋の空
秋の空ロッカーに荷を預けたる
台風を通り越したる湯舟かな
長き夜のオモニハルモニ歌い出す
よく眠ることの続きて秋の蝶
*大阪教育大柏原キャンパスへ昇るエレベーターのドームと青空。

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