車椅子 岡田耕治
マラソンを終えし無言のバスタオル
マフラーや中学生を沈めたる
履きにくく脱げにくい靴十二月
年を越す大牧広の五十句と
ひっそりとしている人の蜜柑かな
ワイパーが泣き続けたる冬の雨
読み継ぎぬ喪中葉書を差し込みて
湯で割りし麦焼酎の無限かな
子狐と判りはじめし会話かな
ガレージの暮らしが見えて冬の星
車椅子先頭にして開戦日
極月の路上が咥え車椅子
数え日やパラリンピックのメダル鳴る
何処まで行く外套の腕組み合いて
年鑑を読みはじめたる布団かな
大阪府立八尾高等学校の中庭。
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