雑煮餅それとなく余生のかたち 宇多喜代子
「俳句」1月号。鏡餅は凜としていますが、雑煮に入った餅は椀の中で軟らかくなり、平たくなっています。箸をつけますと、伸びきって、さらに形を失っていきます。それは、「余生のかたち」なのだと表現されると、雑煮のなかでどんどん冷めていく餅が、いとおしくなってきます。「それとなく余生のかたち雑煮餅」とリズムを整えるのではなく、「雑煮餅」を初めに出して、あえてリズムが整わないのも、余生のかたちでしょうか。宇多さん、今年もよろしくお願いします。
*シェラトン都ホテルのエントランス。
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