谷川すみれ
若者の離れられない椎若葉
黄や緑赤青小豆かき氷
子を産みし臀を置きたる梅雨の晴
神仏に会ったことなし水を打つ
大杉 衛
風車くるまは廻る水車
花菖蒲束ねうれしき重さかな
翳もたず翳となりたる黒揚羽
麦秋や深い呼吸という礼儀
永田 文
渓からの風をとらえて著莪の花
葱坊主集団下校はじまりぬ
風五月少女の膝の絆創膏
野の宴ぺんぺん草の高くなり
竹村 都
葬の列桜吹雪が送りゆく
腕白のおとなしくして入学す
黄の帽子並び行くなり芝桜
百歳の通夜の灯りや花杏
安部礼子
ぬかるみを抜けていく音ソーダ水
犬死のあと葉桜の青い空
荒梅雨が地骨を洗う名無垈
霊験に雷を呼ぶ般若面
*四天王寺、石舞台。
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