2017年6月5日月曜日

「別室」16句 岡田耕治

別室  岡田耕治


はじまりの天を静かに蜘蛛の糸
緑蔭やスクールバスの休みたる
麦の秋最前列で待っており
冷房の風来る弱いところへと
自らを責めるを止めん滝しぶき
仕事場の画面を照らし更衣
夏燕羽ばたかず空滑りゆく
早く梅雨が来て欲しいと言うマスク
奥の席占めて虎魚を注文す
夏暖簾割り正面のショットバー
聴くことに徹していたりサングラス
朝曇スマートフォンにうずくまる
別室から見ている人の扇子かな
水平にソフトクリーム保ち来る
半時を伸びきっているなめくじり
全員の自画像を貼り五月闇
*しきじ・にほんご天王寺にボランティアの方が持参してくれたお菓子。食べながら大阪弁のおしゃべりが弾みました。

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