「月光」 岡田耕治
夏の秋とはいつまでも寝つかれず
短夜のあちらこちらを充電す
大鍋や南瓜スープをかき混ぜて
三年の一日にして酔芙蓉
沈黙の車中にあふれ秋日影
月見豆残さず食べている別れ
月光を抜き出し六林男全句集
千屈菜や風の速さを保ちたる
夜に入りてふくらんでいる鰯雲
宿題が親にも残り休暇果つ
起つときを掴んでいたる花野かな
ゆっくりと歩けば見えて夜の桃
笑い合う西瓜の赤を食べながら
辣韮やガラスの皿を濡らしたる
マニキュアの爪に酢橘の香りけり
大阪教育大学天王寺キャンパスにて。・
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