宮下揺子
幸福のかたちの見えてひつじ雲
足利学校字降松や赤とんぼ
雲早し敬老の日の母は留守
重陽の築地にあふれ外国人
*二句目の「字降松」は、「かなふりまつ」とルビがついています。
【香天集選後随想】
幸福のかたちの見えてひつじ雲 宮下揺子
ひつじ雲が空に広がっています。そのふわふわとした感触は、幸福のかたちにも見えます。そう感じられるのは、作者の身のまわりに何か良いことが起こったからかもしれません。
10月8日
缶蹴りの缶立て釣瓶落しかな 中村静子
日暮れが早くなりますと、「早く帰りましょう」という町内放送が、午後六時から五時に変わります。もっと遊んでいたいのに、もう放送がかかりました。缶蹴り遊びの缶を立てて、最後の一蹴りを入れるところでしょうか。それとも、立てたまま帰ることにするのでしょうか。
*後期の授業がはじまりましたので、こんなふうに自己紹介してもらいました。
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