虫の石 岡田耕治
何もかも鰻を食べて遅くなる
秋の水しばらく触れていることに
秋晴のシーツで家を作りけり
底辺を直線にして秋の雲
空き箱に集まっている虫の秋
秋郊の宝探しをしておりぬ
この石をめくれば虫の鳴き止まん
蟋蟀を描く画用紙のひとり言
隠したるものを問われる木の実かな
冷ややかにレゴブロックを拡げたる
ひやおろし口が迎えにゆくところ
忙しくしている人のとろろ汁
徳島大学五句
うろこ雲和歌山を立ち徳島へ
大学にガラスの多し鳥渡る
鉄路越す陸橋が鳴り秋の暮
巡り出す酢橘の酒の薄濁り
寝て覚めるこの秋灯を点けしまま
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